屋根の一番高いところを大棟といいますが、その大棟瓦の下に半丸瓦を交互に上向き下向きに重ねて並べています。この横に長い部分を「輪違い」、あるいは「棟込瓦」と呼びます。
半丸瓦の側面を見せて、組み方を工夫しながら幾何学的な模様をかたどっています。
この輪違いをよく見ると、瓦葺き職人が創造を凝らしたさまざまな意匠を見ることができます。この職人技ともいえる幾何学模様の美しさを集めて見ました。
2段から8段くらいに組み、重ね方を変えることによりバラエティーな造形模様ができ上がります。
同じ2段組みであっても、半丸の大きさによって見た目の印象が大きく変わってきます。
こちらは、6段で1組の輪違い瓦になります。
輪違いといえば、家紋に「輪違い紋」があります。2個以上の輪が互いに交差して、半ば重なってできた文様を意匠しています。
こちらは、さらに8段に組んでいます。
こう見てくると名もない瓦葺き職人が、葺き替え仕事の経験を通して得た美の創造者にも思えてくるのですが…、いかがでしょうか。