車を走らせていて、視界の隅に映った丸くて赤い重量感のある物体。「あれは…!」と近くでUターン。やはり、あの懐かしい郵便ポストでした。
堂々とした風格の中に、レトロな雰囲気を漂わせて鎮座していました。場所は、松本市の松本市役所梓川支所の正面入り口の横隅。この形のポストにお目にかかったのは、何年ぶりでしょうか。
懐かしさのあまり、ちょっと調べてみました。このポスト、正式名は「郵便差出箱1号丸型」(ずいぶんいかめしい名前ですね)といい、昭和24年(1949年)に生まれたそうです。
設置位置を分かりやすくするために赤く塗り、かどを丸くしたのは通行のじゃまにならないためだったとか。ちなみにポストの色は、各国まちまちで、イギリスは赤、アメリカは青、ドイツやフランスは黄、中国では深緑色なのだそうです。
しかし、それから、20年後に角型1号という現在タイプの角ばったポストが登場し、丸型ポストの生産は「1号」だけで終わってしまったということです。ですから、このポストは少なくても40年は風雨にさらされながらも街角に立って、化粧直しをしながら現役を続けているということになりますね。
「これからもがんばってね」とエールを送りながら、ちょうど手元にあった郵便物を投函すると「ストォ~ン」と、あの聞き覚えのある音が聞こえました。