幸せ運ぶ(?)ヤドリギ

写真は何か、分かりますか? 鳥の巣? スズメバチの巣?

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これは、ヤドリギという植物です。この名が示すように、他の樹木の幹や枝を借りて寄生します。木々が葉を落とし裸木となった冬、容易に見つけることができます。

寄生といっても、ヤドリギは、宿主の木に根をさしこみ水分や養分をもらいますが、太陽のエネルギーによって自ら光合成を行います。ですから、半寄生といったほうが正しいといえます。

ドイツなどヨーロッパでは、葉と若枝を循環器、呼吸器系の疾患や腫瘍などの改善に用いられることから、ハーブに分類されます。(漢方では、膝痛や腰痛に効果があるとされているようです。)

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写真の上のほうに薄い黄色い球形のものがたくさんあるのが、分かりますか? これが、ヤドリギの実です。前の年、雌株のヤドリギにやはり黄色い小さな花をつけ、1年後のいま、実に熟したのです。(写真をクリックすると、拡大されます)

この実を大好物にしているのが、冬になると群れをなして渡って来るレンジャク。木の実の少ない冬、かっこうの食料となるのです。ヤドリギの実のなかにある種に、ベタベタとした粘り気のあるものが含まれていて、レンジャクが排泄した糞がこの粘り気のあるものによって木の枝にからみつき、その木にヤドリギの種が運ばれ、やがて芽を出すというわけです。

このヤドリギは、欧米ではクリスマスを彩る大切な飾りとして使われます。それは「ヤドリギの下でキスをすると将来幸せになる」と、言い伝えられているからだそうです。ですから、ヤドリギを使ったリースを入り口のドアやパーティー会場の壁に飾って、その下に女性をキスに誘う男性の姿が見られるということです。

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