ヨーロッパが原産地ですが、耐暑、耐寒性があることから今では世界中で見られヒマラヤや中国の高山地帯でも目にするようになったハーブです。
日本にも江戸時代には入って来ていて、帰化植物として全国で野生化していますので一度は目にしたことがあるかも知れません。
全体に灰白色の綿毛に覆われ、夏から秋にかけて茎にそってまちまちに5弁の黄色い花をつけます。開花時の高さは、1~1.5mほどになります。
葉と花には粘液質やサポニンを含み、鎮咳、去痰、鎮痛、鎮頸作用があり、風邪やインフルエンザなどの上気道感染症によるあえぎを伴うような激しい咳や咽喉炎に用います。かつてはハーブ煙草として、喘息や結核など呼吸器系の治療に煙を吸引しました。
また弛緩性の去痰薬として作用します。
花を一個ずつ摘み取り抽出したインフューズド・オイルは、痔や耳の感染症などに用いられます。
◆ 和名 ビロード モウズイカ
◆ 学名 Verbabscum thapsus
◆ 主要成分 粘液物質、サポニン、揮発成分、フラボノイド、苦味配糖体(アウクピン)
◆ 作用 去痰作用、粘膜刺激緩和作用、利尿作用、鎮静作用、創傷治癒作用、収斂作用、抗炎症作用