安曇野市豊科の田淵行男記念館で、「安曇野の蝶」と題した田淵が描いた細密画の企画展が開かれています。
田淵行男(1905-1989)は、日本を代表する昆虫の生態研究家であり、自然写真家として多くの業績を遺しました。
中でも家族で疎開した安曇野の地で高山蝶と出合い、戦後、本格的なその生態研究を行いその成果を『高山蝶』として出版したことにより、昆虫の生態研究家として脚光を浴びるようになりました。
『高山蝶』は、山岳などに生息する9種の蝶の生態を観察したものですが、開催中の企画展では、高山蝶のみならず安曇野で蒐集した蝶の細密画20点を展示しています。
少年の頃から昆虫好きだった田淵は、当時本格的な蝶の図鑑がなかったことから「自分で本物のチョウに近い詳しい図鑑を作りたい」という夢を持ち、中学生の頃から蒐集した蝶の細密画を描くことに没頭したといいます。
今回展示されているのは、出版社からの求めに応じ田淵が後年描いた細密画になります。
すぐれた随筆家でもあった田淵が記したそれぞれの蝶との出合いに関するエッセイも添えられています。
「安曇野の蝶」展は、11月11日(日)までで、毎週月曜日が休館(9月17日、10月8日は開館、それぞれ翌日が休館)です。
入館料は、高校生以上300円。詳しい問い合わせ先は同記念館(☎0263・72・9964)です。
* 掲載画像は、同記念館で販売しているポストカードから撮ったもので、開催中の企画展とは直接関係しません。