安曇野の屋根瓦-21 屋号

商店や歌舞伎役者などの家の呼び名や、農村などで姓の代わりに使われる通り名を屋号といいますが、瓦にも屋号を刻んだものを見ることができます。

     036                    (明科・塩川手の地蔵堂)

屋号といってもいろいろありますが、瓦でよく目にするのは、記号と文字を組み合わせた紋章(印)です。

上の写真は、一と十の間に∧(山)が入っています。

こちらは、カネ印と○印の間に田の文字が入っています。 

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(明科・竹の花)

そして、以前にも掲載した写真ですが、水文字の下に屋号のカネに春の文字が刻まれています。
          Photo_2                                 (穂高・新屋)

以前ご紹介した「浦島太郎」にも印があり、「丸(○)+文字」の形式で文字部分に元の字が入っています。

     Photo                                  (穂高・宮城)

下の写真は、丸の中に、山の文字が入っています。

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こちらは、○の中に、三が入っています。今は廃業した茶舗の蔵にありました。やはり屋号は、丸+文字で表すスタイルが多かったようです。

     190                                 (豊科・新田)

○に正の文字が入っています。かつてワサビ景気でにぎわった料亭の屋根にありました。今は「売物件」の掲示が貼りだされていました。

     065                                  (穂高・常盤町)

下は、名字の周りを豪華な雲水で固め守っている鬼瓦の下に、丸に八の屋号がついています。   

     Photo_2                                  (明科・大足)

特定の名字の世帯が集中している地域は、郵便物や宅配便などの誤配を避けるために屋号を使用していることが多くあります。

ですから、遠くからでも分かるその家を識別する記号といっていいかもしれません。

 

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