安曇野の山菜-1

サクラが花を散らすと、安曇野の野山には山菜が芽を出してきます。旬の山菜を何回かに分けてご紹介します。

     Photo_4 

おなじみのタラノメです。もっともポピュラーな山菜といえるでしょう。平地から山地まで野原や薮に生えますが、造成した農地のへりなど比較的荒れた状態のところに群生しています。

人気も高いことから最近では、冬に親木から切り取った枝をビニールハウスなどで水気を保って栽培し、都会向けとして出荷する農家も増えてきています。

まだ若芽をだしたばかりですが、日に日に芽が膨らんできます。

     Photo_2

タンポポですが、これは今ではなかなか目にすることが少なくなった在来種のカントウタンポポです。明治初期に食用野菜としてヨーロッパから導入したセイヨウタンポポが在来種を駆逐してしまって、通常見かけるのはほとんどがセイヨウタンポポになっています。

安曇野市内の農業高校の生徒がフィールドワークで、穂高牧地区にカントウタンポポが残っているのを確認しました。

     Photo_3

一見して分かりにくいのですが、黄色の頭状花の外側にある総苞の外側に角状の突起があり、写真のように上を向いているのがニホンタンポポで、セイヨウタンポポは突起がなく全部外側に反り返って垂れ下がるので区別がつきます。

春の若葉をゆがき、水にさらし苦味をやわらげ、ごまあえ、酢味噌あえ、おひたしにしたり、バターで炒めてもおいしいということです。株元の白い部分は、サラダにして食べたりします。

タンポポは若葉や花、根まで食用となるので、昔は凶作や非常の場合に食べることのできる植物(救荒植物)として利用されたこともあります。

でも食べるなら稀少になっているニホンタンポポでなく、セイヨウタンポポを。食味は大きく変わらないということです。

     2

ギョウジャニンニクも葉を伸ばしてきています。深山で修行する山岳信仰の行者たちが、荒行に耐える強壮薬としてこの山草を食べたことからギョウジャニンニクの名がありますが、北海道ではアイヌネギと呼びます。

若葉と若茎は簡単に折れます。全草にアイリンというニンニクと同じ成分を含んでいて、ニンニクより匂いが強く感じられます。ニンニク臭を薄めるには、切り口を空気に触れさせないように水につけるのがよいといいます。

熱湯でサッとゆでて水にさらして調理します。おひたしやてんぷら、あるいは焼肉だれに漬け込み、焼肉と一緒に簡単に焼いて食べると香辛の効いた味が楽しめます。

ギョウジャニンニクは繁殖力が弱いので鱗形をとってしまうと絶えてしまいます。少しだけ採って、あとは翌年のために残しておいてほしいものです。

This entry was posted in 未分類. Bookmark the permalink.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。