信州の鏝絵に見る左官職人の技-14   蔵窓を担ぐ恵比寿と大黒

鏝絵が見られる各地の調査書を見ると、図柄として多く見られるのは七福神のうちの大黒神と恵比寿が圧倒的に多いようです。

やはりこの諏訪地方でもそうなのですが、なかでも実にユニークな、おそらくここでしか見られない大黒神と恵比寿の絵柄があります。

866

このように蔵の窓を二人が担いでいます。この鏝絵を見た時は、しばし呆然として見入ってしまいました。こんなおもしろい図柄を考えつくなんて、なんと豊かなデザイン力を兼ね備えた職人さんであることか。

2

恵比寿の膝元の魚籠(びく)から鯛の尻尾が覗いていて…

Photo_2

片手で蔵窓をささえる大黒の足元に、打ち出の小槌があしらわれています。

ふくよかでほほ笑ましい表情に加え、なんと心憎いばかりの小道具の配置でしょうか。

Photo_3

ユーモア感たっぷりの、なんともにっこりと笑みがこぼれるような鏝絵といえるのではないでしょうか。

茅野市塩沢の民家の蔵にあります。

This entry was posted in 未分類. Bookmark the permalink.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。