松本市里山辺に長野県宝に指定されている旧山辺学校校舎があります。
明治18(1885)年に建設された和洋両様の建築様式を採り入れた校舎です。現在は「山辺学校歴史民俗資料館」として、この地域の教育、産業、生活文化、祭りなどの資料展示を行っています。
かつてこの地域は地域産業として瓦業も一時期盛んだったといいますので、もしかすると、なにか手掛かりになるものがないだろうかと思いながら、門をくぐりました。
千鳥破風の玄関に「黌」の文字瓦がさん然と輝いて見えます。
入場してまもなく目に飛び込んできたのが、鍵のかかったケースに収められている鍾馗さん。両手の部分が欠損しているのが残念ですが、刃むき出しの刀剣を背に抱えています。風変わりなデザインです。
顔立ちもうりざね顔とでもいうのでしょうか、頬から下が大きく頭部が小さく見えます。
いつころ、どうで制作されたものかなどいろいろ聞きたいことがあったのですが係員は「よく分かりません」を連発。新たに分かったことはありませんでした。
しかし、地域の資料館に保存され展示されていることからすると、里山辺地区のどこかで制作されたか、民家の屋根に上がっていたのでしょう。