冬が例年になく長く、春の訪れが大幅に遅れていた安曇野にも桜前線がようやく到来しました。
昨年と比べて1週間遅れての開花ですが、待ちわびる気持ちにはもっと長く待たされた思いです。
堀金地区にある桜のビューポイントとして人気が高い農道脇は、早朝からカメラを向ける人たちで賑わっています。
雪に覆われた常念岳、2体の道祖神、そして満開のソメイヨシノ―安曇野を代表する撮影地を求めて県外ナンバーの車が目立ちます。
安曇野への桜前線は松本城を囲む桜並木が散り始め、
若葉が出はじめ…
外堀に花筏を浮かばせる頃、安曇野の桜の開花が始まります。
安曇野市三郷を流れる黒沢川の堤防道路両岸を彩っています。
いろいろな野鳥たちが花蜜を求めて木から木へ、枝から枝へと飛び移っています。
堰堤を流れる川音、野鳥のさえずりを耳にし、遠くに北アルプスに連なる峰を借景にしながらの観桜は、これも安曇野ならではの光景でしょう。
桜の名所として近年人気の光城山(ひかるじょうやま)。麓から2kmほどの山頂までのトレッキングコースに沿って、約1500本のソメイヨシノが植えられています。中腹まで開花しましたが、その先、頂上まではこれからです。
標高910mほどの低山ですが、桜のトンネルを通って頂上まで登り切ると安曇野の風景と北アルプスの峰々が広がります。
駐車場、休憩小屋、バイオトイレ、案内板なども整備されています。桜が7分咲きになったことから昨25日からライトアップされて夜桜も楽しめるようになりました(5月5日まで。午後7~10時)。
安曇野の桜は、こうした並木もありますが、街のあちこちにいろいろな種類の名木、古木、巨木などを目にすることができるのが特徴です。
中でも見事なのが、枝垂れ桜でしょう。
標高の高い西側(北アルプス側)の里山地域も、24、25日と2日連続で初夏を思わせるような暖かい陽気に恵まれましたので、一気に蕾を開きました。
樹高15m、幹回り1m、枝張り15mを超すものや樹齢250年を超えるものなどが何本もあります。
木の下から上を見上げると、頭上から花のシャワーを浴びるような気分になります。
ソメイヨシノ、シダレザクラのほかに、コヒガンザクラ、エドヒガンザクラ、カスミザクラ、オオヤマザクラをはじめ多彩なサクラが安曇野を彩っています。
桃花と見間違うほどの花びらが丸く、濃いピンクの鮮やかな桜も見ることができます。オオヤマザクラの一種で、「御殿桜」と呼ばれます。
その昔、戦に敗れた武田勝頼の家臣が身分の違う女性と連れだって身を隠した時、御殿から持ってきた2本の桜を植え往時の栄華を偲んだ桜木がこのオオヤマザクラだったことから御殿桜の名が付いたということです。
豊科北中学校の校庭内に植えられていますが、道路沿いにあることから外から眺めることができます。また、堀金公民館の中庭でも見ることができます。
* 写真はいずれも昨25日の状態を撮影したものです。