菊の花をデザインした瓦を見かけることがあります。
菊は、平安時代に中国から伝来し、当時は延命長寿の花として用いられたそうです。菊の花を浸した酒を飲めば、長生きするという中国の言い伝えも一緒に伝わって来たということです。
屋根瓦の菊花も、こうした願いが込められているのでしょう。
菊花といえば、後鳥羽上皇が菊花を好み、日常品にまで菊花紋を入れていたということです。
その後、皇室の私的な専用文様になっていたものが、明治2年になって16弁の菊花は皇室の紋章として制定されてから一般の人の使用はできなくなりました。
菊の下を流れる水と菊花を組み合わせた楠木正成の家紋は、菊水紋として有名ですが、この瓦の意匠は、水ではなく波になっています。
やはり、鎮火・防火の思いがデザイン化されているのでしょう。
もう一つ。菊花の豪華版です。