安曇野市堀金須砂渡の温泉施設「ほりでーゆ四季の郷」の先に、常念岳、蝶ケ岳への登山道があります。この登山道を入って行くと、延命水という北アルプスの雪解け水が飲める場所があります。
ハーブスクエアから山麓線を南(松本方面)へ4分ほど走ると国営アルプスあづみの公園へ入る道があります。この道ををまっすぐ進むと登山道入り口になります。
登山道にいたるまでの途中に、英国人宣教師ウォルター・ウェストン卿の胸像が建っています。
明治時代に来日し、北アルプスや上高地の素晴らしさに感激し、世界に紹介した人です。
とくに常念岳について「仰ぎ見るすべての峰の中で、常念の優雅な三角形ほど見るものに強い印象を与えるものはない」と安曇野からの展望を賞賛し、みずからも常念岳へ登っています。上高地にもウェストン卿のレリーフがあります。
登山口入り口から少し入ったところにカタクリの群生地があります。あまり知られていない場所です。ここは標高が高いこともあり、カタクリは4月末から5月の上旬が見ごろです。
この近くに天然の保冷蔵「風穴(かざあな)」があります。
山腹にできた洞窟ですが、山の深いところを流れている水で冷やされた空気が岩石の間から吹き出ています。内部は夏でも冷いやりとしていて、地域の人たちは昔から蚕種や苗木の保冷に利用してきていました。
さらに進むと小休止ができるつつじ公園があります。カタクリと同じ時期、イチリンソウが咲いていて和ませてくれます。
途中、野猿が群れをなして迎えてくれます。そうです。ここは彼らの住処ですので、威嚇したり食料を与えるような行為は慎みましょう。
入り口から車で10分ほど走ったところで、滝を見ることができます。
大水沢の滝といい、北アルプスの冷涼な雪解け水が落ちてくる風景をみることができます。
ここを過ぎて、まもなく目的の延命水に着きます。
雪解け水が行く筋も岩肌を伝って流れ落ちています。周辺はひんやりとした空気が漂い、静寂な中に水の流れ落ちる音だけが聞こえ、山深くに来た感がひとしお増してきます。
竹で作られた樋が掛けられていて、水を汲めるようになっています。登山者もこの水で、乾いた喉を潤したことでしょう。
岩肌を伝っていることなどから、保健所が毎年水質検査を行っていて、飲用に適していることが確認されています。
口に含むと、ほど良いくらいの冷たさ、やわらかさが実感できます。