赤レンガ建造物を尋ねて-3   廃線敷きのトンネルと橋梁(安曇野市)

 

JR東日本の篠ノ井駅(長野市)からの塩尻駅(塩尻市)までを結ぶ 篠ノ井線。明治35(1902)年に全線が開通した日本有数の山越え路線といえます。

このうち西条駅(筑北村)から明科駅(安曇野市)間は山や谷が多く、山肌や岩を削り、トンネルを貫き深い谷を埋めるという難工事の末、鉄路が敷かれました。

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しかし、この区間は地すべり多発地帯であったことなどから、別の地に敷線をすることになり昭和63(1988)年に線路が付け替えられました。現在走っている新線は、700mほど従来線より短くなりました。

廃線敷きとなった旧区間は、市民のウォーキングコースとして整備されて利用されています。

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旧区間には大小5個のトンネルがありました。

そのうち漆久保トンネル(安曇野市)は、明治時代の面影が色濃く残る総レンガ造りのトンネルです。

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漆久保トンネルの長さは53m。明治30(1898)年、明科・潮にレンガ工場(現明科高校の周辺)が竣工し、そこで焼かれたレンガが使われています。

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壁面はイギリス積みですが、天井部に近くなるにつれ長手積みに変わり、天井部は長手積みになっています。

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トンネル天井部の電燈と張りつめられたレンガ。煤煙とその熱で赤レンガが色を変え、部分的に黒くなり味わいのあるツートンカラーを見せているのかと思いましたが、よく見ると焼き過ぎレンガを使用しています。

焼き過ぎレンガのうち、特に小口を焼き過ぎとしたものを鼻黒、長手を焼き過ぎ工法で造ったものを横黒と呼びます。この鼻黒、横黒が壁面に散りばめられています。

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この区間はトンネルや橋梁について線路容量の上からも複線化の準備がなされた設計で建設されたそうですが、単線のままで開通しています。

JR篠ノ井線は明科駅をでてから安曇野市から松本市までの区間は、犀川の右岸に沿って線路が走っています。

この漆久保トンネルのすぐ近くに小川が流れ、旧線敷きに橋梁が架かっています。小沢川橋梁です。

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イギリス積みを基本形としているのですが、小口の積み方に特長があります。

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長手面は橋壁に沿って積んでありますが、小口はアーチ軸に向けて積んであるので、一段ごとに鋸歯(のこぎりば)状に見えます。

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案内板には、このような積み方は全国的に類例がないと記しています。

 

 

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