新屋公民館が国の有形文化財に

安曇野市穂高有明の新屋(あらや)公民館が、国の登録有形文化財になることが決まりました。

昭和26(1951)年に建てられたノスタルジックな面影を色濃く残す木造平屋の建造物で、いまも現役で地域の交流施設として利用されています。

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外見から講堂を思い浮かばせるような造りですが、実際内部は柱がないホール設計になっていて、学校の体育館のようになっています。

ですから子どもたちが板張りの床を、走り回っていることもあります。中は一部2階建て部分があり、映写設備などが備わっています。

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なぜ映写設備かといえば、この公民館が建設された当時、占領支配で日本に駐留していたGHQ(連合国軍総司令部)が教育目的で制作した映画(ナトコ映画)を上映するためでした。

戦後のまだ娯楽などがなかった時代ですから、上映会場となった公民館は満員状態になったといいます。いってみれば、映画館のような役割も果たした歴史を持つ公民館です。

ちなみに映画といえば、この新屋公民館が建設された年に、黒沢明監督の『羅生門』がベニス国際映画祭でグランプリを受賞しています。

また181件の文化財が国宝として第一次指定された年にも当たります。

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新屋公民館前に道祖神、大黒天、二十三夜塔の三基の石像、石碑があります。この道祖神は、宝暦9(1759)年に新屋村(当時)が隣りの富田村(同)から金品を払って譲り受けたものであることを示す「帯代九両富田村 帯代九百両新屋村」の文字が刻まれています。

安曇野市の国の登録有形文化財は、南安曇農業高校日輪舎(写真下)に次いで九件目になります。

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長野県で新たに国の登録有形文化財に登録された建造物に、松本市の旧陸軍松本50連隊の糧秣庫があります。関連した記事がこちらにあります。

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