安曇野が舞台のNHK朝のテレビ小説「おひさま」で放映された安曇野とその周辺の風景を紹介しているコーナーです。
* 掲載した写真で、左上に時刻表示の数字があるのは、テレビ画面を撮ったものです。
ドラマのなかで陽子の父・良一は、毎日晩酌に一合の酒を飲みます。
食糧事情をはじめ物資の不足していた時代ですので、酒を手に入れるのも大変だったろうとも思うのですが、食卓には一合の酒が必ず用意されています。
特別なことがあった時は、子どもたちにも酒を勧めたりしていました。
タケオに赤紙(召集令状)が届いた時は、祝い酒のつもりが涙交じりの複雑な感情の混じった酒になりました。
父と松本へ行った際、立ち寄った丸庵で陽子も勧められるまま酒を含み、和成と結婚したいと心の内を語ったのも酒のもてなしを受けた席でした。
そして、三々九度の固めの杯。
新婦の父親から新郎・和成も一献。
祝いの席で披露されたのが「正調安曇節」に合わせた踊りでした。
父・良一は、真知子の父親で「安曇野の帝王」と自他ともに認める資産家・相馬剛三とも杯を交わしました。
名古屋の工場が松本に疎開したことから安曇野に戻った良一は、陽子の嫁いだ丸山家へあいさつに訪れた席にも…。
そして、“帝王”が須藤家を訪れ、紡績工場を始めることになり良一に誘いかけたときもテーブルには、お銚子が二つ載っていました。この時は、まだ外は明るかったのですが…。
ドラマの中では、ともかく良一を軸に酒がよくでてきました。
それもそのはず、安曇野と周辺は日本酒の原料となる酒米、良質の水、醸造に適した気温など酒造りには最適な地で、その昔から地酒、造り酒屋も多かったからでしょう。
穂高神社には、近郊で造られた樽酒が奉納されます。
そのものずばりで「安曇野」と銘打った酒もあります。
「安曇野」商標の清酒を醸造している北安曇郡池田町の酒造会社の酒蔵です。
三郷に明治初頭(1870年ころ)から、20年ほど前まで醸造していた酒蔵が今も残っています。三棟の大きな蔵があり、最も大きな蔵は、床から天井部まで10㍍以上あり、仕込み、麹作り、発酵などが行われていたということです。
板壁からしみ込んだ酒の香りが匂ってきそうです。
こちらは江戸期の文化年間(1810年ころ)に創業を始めた豊科にある旧酒蔵で、今は菓子舗になっています。国の有形文化財として保存されています。
それぞれの造り酒屋では、冬になると新酒の仕込みに入ります。そして、新しい清酒ができ上がると軒先に、スギの穂先を集めて作った杉玉を飾ります。
これが新酒ができ上がったということを知らせる目印になります。