むかし、英国のとあるガーデンで目にしたとき強い衝撃をうけた赤花イチゴです。しばらくして入手することができ、さっそく植え込んだ思い出があります。ことしも開花しました。
17世紀のヨーロッパで作出されたというオールドカーネションの一種で、シナモンピンクといいます。開花するとシナモンに似た芳香を周囲に漂わせます。
ハーブではクローブピンクというカーネションがありますが、シナモンピンクはこれより古い歴史を刻みます。
マリアアザミも大輪花を開いています。アザミのなかでは大型種で、草丈が1~1.5㍍ほどになります。ですから、和名でオオアザミともいいます。
このマリアアザミの葉も大きく30~40㌢㍍ほどにもなり、浅く裂けた葉の先に鋭い刺があります。そして光沢のある緑葉に白い斑(まだら)模様があるのが特徴です。
ヨーロッパでは、この白い模様はマリアがキリストに乳をふくませようとした時にこぼれ落ちて着いたという言い伝えがあり、ミルクシスル(シスルはアザミの意)、ホーリーシスルなどの呼び名があります。
スモークツリーも薄黄色の小花を満開にしています。
名前の由来が良く分りませんが、花が終わってしばらくすると綿菓子のようなふわふわした花柄がつきます。離れて見ると煙に見えるといえば、そう見えるのですが…。
それにしてもこの小花は、いろいろな昆虫を呼び寄せます。ミツバチやチョウはもちろん、テントウムシからカメムシの類まで群がってきます。
よほど魅力的な花蜜をだすのでしょうか。それとも、虫たちが好む芳香を放っているのでしょうか?かの『昆虫記』を著したシートンさんのような観察眼があれば分るのでしょうが‥‥。