季節はずれの大雪に見舞われた翌日、ハーブスクエア周辺の雪かきに追われました。湿った重い雪に手こずり、うんざりしながら作業を続けていると…。近くで、「キッキッキッ」と野鳥の鳴く声が。声のしたゴールデンアカシアの大木を見上げると、スズメほどの小さな鳥がいました。
コゲラです。枝から枝へ、枝から幹へと忙しく飛び移ります。くちばしでときどき幹をつつき、時々その動作が回数を増します。樹幹内の昆虫の幼虫でも探しているのでしょうか。
そういえば、コゲラはキツツキの仲間だったことを思い出しました。かれこれ30分ほど、同じ行動を繰り返した後、飛び立っていきました。
雪かきの小休止に、ハッと頭をよぎりました。「そうか、この大雪で餌探しができないんだ」。食べ残しのミカンとリンゴの食べかす(「ゴメン、これしかないんだ」と心で謝りながら)を、近くに置いてやりました。
ほどなく大きな鳥がやって来ました。初めは大きさからいってヒヨドリかな、と思ったのですが、全体が地味な灰褐色の色合いでお腹が白っぽいことから、シロハラのようです。
図鑑によると、シロハラは雑食で、木の実や地面に降りて昆虫やミミズなどを捕食する-とあるので、ガーデンが雪におおわれてしまってやはり餌に困っていたのでしょう。リンゴやミカンを盛んについばんでいました。
シロハラは日本で越冬する渡り鳥(冬鳥)。やがて本格的な春の訪れとともに北の繁殖地に戻ります。安曇野に滞在しているあと少しの期間、ガーデンの雪が解けたら餌探しにまたいらっしゃいと声を掛けてあげました。