安曇野は今、本来の生息地でないところに現れた迷鳥(めいちょう)をひと目見ようという人たちが押し寄せ、ちょっとした騒動になっています。
安曇野は毎年、初冬になると遠くシベリアから数多くのコハクチョウやカモ類が越冬にやって来ることで知られますが、春の訪れとともに北帰行しますので越冬地周辺もしばらくは静かになります。
しかし、10日ほど前に国内ではめったに見られないという「メジロガモ」が飛来しているのが発見され、連日新聞やテレビで報道されたこともあり、時ならぬ賑わいになっています。
迷鳥・メジロガモが生息しているのは、例年コハクチョウがやって来る犀川白鳥湖近くの池です。
メジロガモは日本にはめったに飛来することがなく、過去数例しか観察記録がない珍鳥中の珍鳥になるそうです。通常今ごろは、中国西部や中央アジアで繁殖の時季を迎えているはずだといいます。
それだけに珍しさも手伝って、早朝から池の周りを他県ナンバーの車が数多く止まり、大型の望遠カメラを三脚に据えシャッターチャンスを狙っている人たちが列をなしています。この右手にも大勢います。
残念ながらわたしの手持ちのズームレンズでは、この画像が精一杯です。
メジロガモのオスは、体全体が赤褐色という地味色で、名前の由来となったように目(虹彩)が白く尾羽の下側付近も白いのが特徴で、全長40cmくらいです。
数は多くはないのですが、ケガなどで春になっても北へ帰れず次の仲間たちの飛来シーズンまで安曇野で過ごす野鳥たちがいます。
オナガガモ、マガモ、ホシハジロ、オオバン、コハクチョウなどさまざまですが、この日はキンクロハジロ(前を行く白黒のカモ)と仲良くなったようで、ぴったりと寄り添うように水面を右へ行ったり左へ行ったりしていました。
この珍鳥で迷鳥のメジロガモ、いつまで 安曇野に滞在するかまったく分かりませんが、元気にこの暑さを乗り切ってもらいたいものです。