かつて養蚕が盛んであったころは、蚕の食餌とするために畑地のあちこちに植えられていた桑ですが、製糸業の衰退とともに伐採、伐根されめっきり少なくなってしまいました。
ヨーロッパでは古くからブラックマルベリー(Morus nigra)の果実は炎症と出血、樹皮は歯痛、葉は、毒蛇の咬み傷やトリカブト中毒の解毒に薬用として用いられてきました。
また、中国ではホワイトマルベリー(M.alba)が、咳、風邪、高血圧に効く強壮薬として今も広く用いられています。
日本でも近年研究が進み、主要成分のデオキシノジリマイシンが二糖類分解酵素のα-グルコシダーゼの働きを阻害して食後の血糖値の上昇を抑制することが分かり、マルベリーは血糖調整や肥満などの生活習慣病予防に役立てるために使われるようになっています。
そのほか、発熱性の風邪、頭痛、喉の痛みや便秘などにも用いられます。
◆ 和名 クワ(カラグワ)
◆ 学名 Morus alba
◆ 主要成分 デオキシノジリマイシン(DN)、ガンマアミノ酪酸(GABA)、クロロフィル、フィトステロール(シトステロール)、鉄、カルシウム、亜鉛などのミネラル類
◆ 作用 血糖降下作用、強壮作用、緩下作用、抗菌作用、発汗促進作用、去痰作用