秋も深まり、柿の実も熟れて来た頃、明科中川手で新たな鍾馗さんに巡り合いました。
かなり大きな母屋の大棟にありましたが、屋根の傷みも目立って来ているようです。
外にいた家人の話では、嫁いできた50年前には上がっていたとのことですからこの家とともに時を刻んできた鍾馗さんです。
この鍾馗さん、意外とリアルな姿で表されていて着物の裾がめくれ、足が覗いています。
独特の剣を手にしながら、怒髪、目の鋭さ・輝き、口は大きく「へ」の字に結んでいます。左手のストップモーションポーズにも悪霊を寄せ付けない力強さが感じられませんか。
明科では、別の地域(東川手)でも2体と出合いました。
こちらは現代の新しい大きな家の大棟にあった鍾馗さんです。
最近は屋根にソーラパネルを設置する家も多くなってきていることから、鍾馗さんが隠れてしまうケースも増えてきました。
家人の話では、以前は潮沢という山間地に居住していたそうですが、そのころから屋根に上がっていたもので、代々継がれてきた瓦鍾馗を移転新築した際に魔よけとして上げたということです。
移動の際に欠損したのでしょうか、刀剣が途中で折れているのが惜しまれます。
遠くで分かりづらいのですが、古物であることは分かります。(この鍾馗さんは兄弟鍾馗さんの記事でも登場しています)
こちらは、捕えた小鬼をまたいで懲らしめている鍾馗さんです。同じ町内にありました。型入れで量産されている飾り瓦ですが、長野県内ではこれまでに目にしていないものです。