初夏に芳香のある黄緑色の小花を無数に咲かせるリンデンは、原産地のヨーロッパでは街路樹として親しまれています。
和名はセイヨウボダイジュですが、東洋の菩提樹とは別の品種です。リンデンはドイツ語、英語ではライムと呼び、樹高は40㍍ほどになります。
メディカルハーブとして使用する部位は、花と苞(ほう)と小枝で、うっすらと甘味があり、上品な香りがあり他のハーブとブレンドすると、よく味を調えるハーブです。
リンデンには鎮静作用があり、緊張緩和や不眠症に効果があります。神経質な人、怒りっぽい人にもおすすめのハーブです。
花に含まれているビオフラボノイドという成分が血圧を下げ、動脈硬化、心筋梗塞などの予防に役立ちます。発汗を促進し、熱を下げる効果もありますので、風邪やインフルエンザに罹った時にも有効です。
小枝の部位には、腎臓の機能を活性化させる効能が知られています。利尿作用や悪玉コレステロール(LDL)を減少させる効果もあります。
◆ 和名 フユボダイジュ
◆ 学名 Tilla cordata
◆ 主要成分 フラボノイド配糖体(ルチン、ヒベロシド、ティリロシド)、粘液質(アラビノガラクタン、タンニン、フェノール酸(カフェ酸、クロロゲン酸)、精油(ファルネソールなど)
◆ 作用 発汗作用、解熱作用、利尿作用、鎮静作用、消化促進作用、血圧降下作用、コレステロールの低減、腎機能の改善