「その後、目にした…鍾馗瓦(その1)」でもご紹介したkiteさん、おとんさんのお二人が限られた時間の中で探し当てた安曇野市内の鍾馗さんを紹介します。
堀金中堀の農家の二階建て資材庫の屋根上にあった鍾馗瓦です。
壁には、代掻きに使用した鍬などの農具が掛かっています。その大棟に鍾馗さんが飾れてい るのがお分かりになりすか?
柄に手をやり、悪霊あらば一刀両断に成敗せんと構えるなんとも頼もしい鍾馗さんです。
この鍾馗さん、刀剣を鞘から抜いたのがこちら。対で掲げられています。
下の鍾馗さんは、豊科高家(たきべ)の小屋根の上に飾られていたものです。全国を探訪しているお二人ですので、嗅覚が働くのでしょうか(?)、鋭い感性で知らなかった鍾馗瓦を探してきました。
下は筑北村で見かけた屋根瓦です。鍾馗さんのようでもあり、そうでもないような…。そこで、瓦鍾馗を研究されているkiteさんと、おとんさんに鑑定していただきました。
おとんさん 「鍾馗さんだと思います。進士巾をかぶっているようですし、顎髭もありますから」
kiteさん 「私も鍾馗さんだと思いますよ~。鍾馗さんの特徴があらかた欠落してしまいましたが、他の人物であるという特徴もないですし。鍾馗さんとしてリストアップしておきましょう」
同じ筑北村にあった鍾馗の文字を刻んだ瓦です。
瓦鍾馗といえば、長い髭を蓄え、中国の官人の衣装を着て剣を持ち、大きな眼で悪霊や疫病を寄せつけないため睨みをきかせている姿が湧いてきますが、「鍾馗」の文字で悪霊は退散するのかな?と拍子抜けしました。
それに鍾馗さんの鍾の文字が、「鐘」に化けています。
こちらも、鐘になっています。「少し線が細いな、もっと肉太な文字にして悪霊に睨みを利かせて欲しいな」と思ったのですが…。
そして、これは極めつけといったところでしょうか。「鍾鬼」と刻まれた文字瓦です。小鬼を退治するのが鍾馗さんで、鍾馗さんは「鬼」ではないはず。
瓦職人さんの遊び心? それとも単なるミステークなのでしょうか。
これも分かりません。