安曇野が舞台のNHK朝のテレビ小説「おひさま」で放映された安曇野とその周辺の風景を紹介しているコーナーです。
* 掲載した写真で、左上に時刻表示の数字があるのは、テレビ画面を撮ったものです。
陽子たち家族が東京から安曇野に越して来て、病弱の母と幼い陽子がリヤカーに乗り新居へ向かったときは、穫り入れを迎えた秋のころ、昭和7(1932)年9月でした。
その場面に、刈り取った稲のはざ掛け仕事に勤しむ農家の人の姿を入れて季節感をだしていました。
ずっと後になって女学校へ通うようになった陽子が、親友の“やけ食い”に付き合い体調を崩し、迎えに来た次兄の茂樹が引くリヤカーに乗って家路に戻るときの場面にも、はざ掛け米の風景がありました。
米どころ・安曇野では、多くの農家は5月に田植えを行います。
北アルプスの雪解け水と太陽の光をいっぱい受けて、秋になると稲穂は頭(こうべ)を垂れ下げ…
稲田は黄金色に色づきます。
実った稲の刈り取りの主流は、コンバインによる省力作業になっています。
刈り取られた米はコンバインによってすぐに脱穀され、稲わらも細かく切断され田んぼの肥やしになるよう土壌に撒かれます。
あっという間の穫り入れ作業の完成です。稲籾は集荷所に運ばれ、機械乾燥されます。
でも、こだわりの米作りをしている米農家もあります。手塩に掛けて育てた米のうまさは、はざ掛けして決まるというわけです。
丸棒を組み合わせた「はざ」に、刈り取った稲穂を束ね逆さにして天日干しするのを「はざ掛け」といいます。こうして何日も掛けて太陽光の力で、ゆっくりと乾燥させます。
ゆっくり自然の力で乾燥する間に実がさらに熟するとともに、茎葉の養分が籾に移るため米の旨みが増すといいます。
確かにはざ掛け米は、ほっこり、ふっくらした艶のある米が炊き上がりますし、食べるとうま味と粘りが違うことが実感できます。
ドラマでは食卓を囲む場面もでてきますが、陽子たちも きっとはざ掛けしたおいしい安曇野産米を食べていたのでしょう。