安曇野の瓦-13  孔子と孟子

穂高・宮城にある有明山神社の手水場の屋根に、おもしろい飾り瓦があります。鯱一対のほかに、「浦島太郎」(安曇野の屋根瓦-6  11月5日掲載)があります。 

その反対側の参道に面した側に、別の一対の飾り瓦があります。少し離れた神社社務所で「孔子と孟子ですか?」と聞くと「浦島太郎の一代記を起承転結で表している」とのこと。

しかし、衣冠からして唐のころの古代中国の正装で、どう見ても浦島太郎には見えません。それで、独断で「孔子と孟子」としてご紹介します。

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こちらが孔子ではないかと思います。というのも、角度を変えて見てみると、鳩と思われる鳥が足元にいたからです。「鳩に三枝(さんし)の礼あり、烏(からす)に反哺(はんぽ)の孝あり」という格言が思い浮かびました。

小鳩は親鳩より三本下の枝に止まるという礼をわきまえ、烏は養育してもらった親の恩に報いるために年老いた親烏の口に餌を含ませてやる-というような意味です。

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すなわち、礼儀と孝行を重んぜよという儒教色の濃い教えと言ってよいと思います。孔子の弟子に曾参(そうしん)という親孝行者がいて、孔子はこの曾参の姿を見て教えを説いたということです。

ですから、これは孔子の瓦像と独り合点しています。

そして、こちらはわが子の健全な成長にはよい環境を選ぶことが大切という、あの「孟母三遷の教え」、あるいは「断機の戒め」の母のもとで大成した孟子の姿を表しているのではと思うのです。

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こうした母の教育感に感謝し喜ぶ、後世の孟子に見えてくるのですが、いかがでしょうか?     

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