各地の寺社に置かれている狛犬は、膨大な数に及びます。ここでご紹介しているのは、屋根の上の瓦製のものですが、寺社の門前には石製、青銅製、陶製、セメント製などさまざまです。
狛犬の源流をたどると、古代オリエント時代のライオン(獅子)像がルーツになるという説があります。
仏教の伝来とともに、中国から獅子という強い動物がいることが伝わっても誰も見たものがいません。想像を巡らせて作るものの角があったり、なかったり、実際のライオンと似ているようで似ておらず、結局、架空の守護獣ができあがったというものです。
沖縄にシーサーと呼ばれる守護獣が、建物の門、屋根などの上に据えられていますが、獅子を沖縄方言でシーサーと言うそうです。
もともとは、単体で魔除けとして置かれていたのが、狛犬の影響を受けて一対になったということです。
狛犬は、初めは天皇の守護獣として宮中のもので、時代を経て寺社にも霊獣として置かれるようになった歴史があるのに比べ、シーサーは明治以降、庶民に瓦葺きが許されるようになってから、各家に普及したのだそうです。
また、狛犬に雌雄の別があるのかどうかということですが、諸説あるようです。でも想像上の動物(?)ですので、雌雄の別はあってもなくてもいいのではないでしょうか。