昨27日、穂高神社の秋の例大祭「お船祭り」が開かれ、伝統的な穂高人形が飾られた大人船2艘と子供船3艘が奉納されました。
各町内を練り歩いたお船は、神社境内に三々五々、集結し、観覧客にお披露目します。
この「飛行機のはじまり」は、天明5(1785)年に岡山の表具師・幸吉が、空飛ぶ鳥を見て自分も大空を飛びたいと願い、苦心の末に羽根を作るのに成功し、花見の宴が開かれていた上空を飛び、人々を驚かせたという史実を再現しています。
そして、ことし奉納された大人船は下の2艘です。
拝殿内の祝詞や玉ぐし奉てんなどの儀式が進み、いよいよお船の奉納です。各地区の氏子総代が、旧松本藩から拝領した御旗を掲げ、拝殿前の神楽殿を三周し終わると…。
子供船の登場です。拝殿に人形の舞台を向け、子どもたちが手綱を引き、大人が後押しして船を動かします。船の上と中には、祭りばやしの笛を吹く子どもが乗り、船の前後は寄贈された着物で飾っています。
それぞれの子供船が三周し終えると、いよいよ大人船の出番です。
こちらは着物飾りはなく、船の骨格が見えます。大きさも、子供船を二回りほど上回る迫力です。
神楽殿を周り終わったところで、次の大人船の登場を待ちます。
そして、2艘の船が相対峙すると…。
笛、鉦、号令を合図に船同士が激しくぶつかり合います。祭りは、クライマックスです。
船からギシギシと音がしますが、船の中で笛、太鼓を叩く子どもたちも打つ手を止めず、はやしたてるように鳴らし続け祭りを盛り上げます。
激しくぶつかり合うので、人形の舞台や船のあちこちが傷みます。
傷んだ個所の取りあえずの処置をして、またぶつかりあいます。
ぶつかり合いは体力がいりますので、例年3~5回ほどですが、今年は町衆同士の気勢も上がり、計7回激突し合いました。観客も勇壮なお祭りに歓声を上げながら見入り、十分満足した様子でした。
お船祭りは安曇野各地区で催されますが、船同士のぶつかり合いは穂高神社のお船祭りだけで、県の無形民俗文化財に指定されています。