秋にシベリアなどの北国から渡って来て、日本で冬を越す渡り鳥を冬鳥といいますが、安曇野にも白鳥とともに多くの冬鳥たちが訪れます。
このうち安曇野の河川で越冬する渡り鳥を何回かにわけてご紹介します。その1回目は、キンクロハジロです。
漢字で「金黒羽白」と書きます。目が金色、全体が黒っぽく、羽が白いことが名前の由来です。
上の写真、どれもキンクロハジロですが、違いが分かりますか? そうです。頭の後ろが違います。後頭部に垂れ下がった冠(かんむり)羽がはっきりしているのがオスで、全体が褐色で冠羽が短いのがメスです。冠羽が寝ぐせみたいに見えることから「ネグセドリ」の別名もあるんですよ。
カモ科に分類され、「海ガモ」の仲間で、あまり陸地には上がらず、水中にもぐることが得意です。もぐって貝類や水生昆虫、水草などを餌とします。夜、暗くなってからも採餌するそうです。
安曇野では、キンクロハジロはコハクチョウの側に群れます。コハクチョウが長い首を水中に入れて餌を探すと、側にいるキンクロハジロは、すばやく潜水します。きっと長いくちばしのコハクチョウが、川床をかき回したときに餌となるものを横取りするのでしょうね。
全長40㌢㍍と小型ですが、こうして群れていると白と黒のコントラストがはっきりしていて、遠くからでもすぐ分かります。