今に残る明治期の総レンガ造りのトンネル

安曇野市に明治時代の産業遺跡ともいえる総レンガ造りのトンネルが残っています。
現在は廃線となった旧国鉄篠ノ井線・明科駅から西条(にしじょう)駅の間に開削されたトンネルのひとつで、漆久保(うるしくぼ)トンネルのあとです。

新線の開通にともなって、全長53㍍あるトンネルの二つの入り口は20年余り鉄の扉で閉鎖されていましたが、昨年4月にこのトンネルを通るトレッキングコースが整備されてから、誰でも歩いて通れるようになりました。

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明治時代、西洋諸国に追いつくため国をあげて輸出製品の生産に力をそそいだ日本。
当時、岡谷市の製糸業も重要な産業の一つで、その動力源として西条駅近くの炭鉱で掘られた石炭を運ぶため、篠ノ井線は明治35年に全線開通しました。中央本線より4年も早い国策に沿った開通でした。

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この漆久保トンネルのレンガも、明治30年に開業した近くの煉瓦工場で造られたものが使用されています。
明治の歴史の面影を残す貴重な遺構ともいえます。

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トンネル天井部には、照明器具のあとも残っています。

さらにトンネルを抜けた先の両側には、何本もの架線柱が立っていました。

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このトンネル周辺の斜面には、3万本ともいわれるケヤキが植林されています。そして、思わず「トンネルを抜けると雪国であった」とつぶやきたくなるような辺り一面の雪景色。

でも、あと少しで雪も消え、やがて新緑の季節を迎えます。このトンネルを通る約6㌔㍍の「廃線敷トレッキングコース」を歩いてみませんか?
すがすがしい新緑とさわやかな風が迎えてくれるはずです。

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トレッキングコースの詳細はこちらでご覧ください。

   →  http://www.city.azumino.nagano.jp/kanko/mokuteki/trekking/index.html

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